また会おうね
*
あたし達は静かに扉が開くのを待っていた。
昼休憩の終わりを知らせるチャイムが鳴りつづける間、誰も口を開こうとはしなかった。
十人の生徒が職員室前を輪を空けて立っている。
異様な光景だった。
扉が開いて閉じる音がチャイムに重なって不協和音を奏でる。
かすかに眉を寄せたあたしの前で、彼女は全員の顔を見まわして、あっさりと告げた。
「今、退学届を出してきたよ」
< 1 / 50 >