また会おうね
「ふふっ、ごめんごめん。ベビーカーは彼氏の両親が買ってくれることになってるんだ。自動で折り畳めるような高価な物じゃないけどね」
「なぁんだ、よかった。じゃあベビー服にしようかな」
「だったら、わたしはねぇ――」
楽しそうな会話は永遠につづきそうだ。
あたしは会話に加わらず、賑やかな話を聞きながら佇んでいたのだけれど、彼女と目があった。
薄茶色の長い髪が揺れて、綺麗に化粧した顔があたしを見て驚いている。
あたしは自分が部外者だとわかっていた。
控えめに彼女を見るだけのつもりだった。
でも、目の前の彼女の唇が動いた。