また会おうね
 
「井上さんも来てくれたんだ」



 好意的な口調に安心して、慌ててうなずく。



「宮川さんはあたしの憧れだから……」



 男の子に告白するような気恥ずかしさを伴いながら告げると、彼女――宮川結菜は声をあげて笑った。



「えー! なによ、それ。井上さんとわたしはクラスメイトでしょ?」



「で、でも! 宮川さん大人っぽくて綺麗だし。学園祭のステージも聴き入るくらい格好よかったし。ファンになったっていうか……」



 しどろもどろにそう言うと、周囲がどっと笑う。



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