強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】
意外な同居人でした
それから三日。
襲撃されたホテルは危ないので、別のホテルに移動した私とSPたち。
「ねえ、捜査の進展ってどうなってるの?」
今度は人がたくさん集まる大きなホテルではなく、目立たないビジネスホテルにした。
庭もプールもないし、あったとしてももう外に出たいとは思わなかった。
けれど、部屋の中にずっといてはやはり息がつまる。
「それは一般人には教えられないなあ」
悠がいつもの穏やかな顔で返した。
彼はあの戦闘以来、野生の狼のような顔はいっさい見せなかった。相変わらず、可愛い子犬の皮を被り続けている。
「まず素手やナイフを使ってくるあたり、素人の犯行じゃないかなと俺は思ってるけどね」
「普通は銃とか使うものなの?」
「その方が遠距離から狙えるから。職員室の扉を吹っ飛ばした爆発物も、ちょっと知識があれば誰にでも作れる程度のものだったみたいだし」
教えられないと言いながら、悠は話す。けれど、核心には触れない。