強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】
「客観的な意見を言ったまでなんだけど……」
別に、どの系統じゃなきゃダメとかないし。
「っていうか、悠の周りってイケメン多くない?」
高浜さんも新城さんも矢作さんも、種類の違うイケメンだよね。
SPは容姿端麗じゃないとなれないと聞いたことがあるけど、こんなに色んなイケメンがそろっているとは思わなかった。
「待てよ。俺の周りってどういうこと」
「だから……悠の班の人たち」
「なんだよそれ」
いつもよりいささか乱暴な言葉づかいになった悠は、ふてくされたような顔をした。
ええ、なによ。何が気にいらないの?
不可解な悠の言動に首をかしげた瞬間、ドアをノックする音が聞こえた。
「はーい」
悠はくるりと踵を返し、大股で歩き、のぞき穴から来訪者の姿を確認する。それからロックを解除し、ドアを開けた。
「どうも、藤沢さん」
愛想の欠片もない顔で挨拶をしてくる篠田さんの後ろを、ドアを閉めた悠がついてくる。