強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】
肩を抱いていた悠はいつの間にか真正面にいた。
片腕は私の背中を引き寄せ、もう片方の空いた腕が、あっさりと胸元に到着。
「いいだろ、ずっと我慢してたんだから」
「は、わ、ああ、あのっ」
「ずっと同じ部屋で寝ている霧子を指をくわえて見ているだけの俺がどれだけ辛かったか……」
そんなの知らないし! っていうか、担当SPなんだからしょうがないじゃない。
そんな反論をする前に、すでに悠の長い指が私の胸をとらえている。
「だ、ダメ! ここ、人のトラックの中だからっ!」
初めての夜がトラックの荷台なんて、嫌だ~!
ぶんぶんと首を横に振ると、悠はぱっと手を離す。
「そう言えばそうだね」
悠は同意しながら、にやにやと人を子馬鹿にするように笑う。
も、もしかしてからかわれたのか……!
拳を握りしめてパンチの用意をすると、悠はごろりとその場に横になる。