強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】


「ホテル探そうか」


バッグからスマホを取り出し、電車に乗った頃から切りっぱなしだったスマホの電源を入れようとしたけれど。


「大丈夫」


電波で位置情報が知られることを恐れたのか、悠がそれを制した。

そして、自信満々な顔で言う。


「田舎のインターの近くには、必ずあるものがあります。それは何でしょう?」

「は?」


田舎のインターなんて、あまりじっくり見たことないんだけど……。

正解を探そうときょろきょろするけど、コンビニ以外は暗くて、よく見えない。

かろうじてわかるのは、全国チェーンの牛丼屋くらいか。


「ん?」


今、夜空に花火が上がったような……。

でも、音がしないし、何かおかしい。

ごしごしと目をこすってよく見ると、それは本物の花火ではなく、建物の上につけられた電飾だった。

本物よりはるかに小さく、規則的にピカピカと光っている。

もしかして、あれは……。


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