強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】


「まだ嫌?」


耳元で囁いていた唇が、そっと耳に触れた。


「ひゃっ」

「嫌じゃない? どっち?」


聞きながら、私の右耳を甘噛みする悠。

ぞくぞくと、甘い痺れが首から全身へ走っていく。


「い、嫌じゃないけど……」

「本当に?」

「うん」

「お前の全部、奪ってもいい?」


聞いたことのない悠の男らしい声が、体温を上昇させる。

声を出すと震えてしまいそうで、ゆっくりと首を縦に振った。


「このまま、いい?」

「はいっ? やだ、ダメ。シャワー浴びないと」

「はは、そっか。いいよ、行っておいで」


その言葉と同時に、体を解放される。

顔を見るのも恥ずかしくて、そのままダッシュで脱衣所に駆け込んだ。

激しく鳴る胸をどうすることもできず、とにかく体を綺麗にして出ていくと、それと入れ違いに悠が浴室に入る。

ベッドに潜り込み、浴室に背中を向けていると、すぐに浴室のドアが閉まる音がした。

近づいてくる足音に続き、衣擦れの音がやけに大きく耳に響く。

次の瞬間には肩に触れられ、仰向けにされた。


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