強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】
びっくりします
「あぁ~……ほんっとムカつくババア! あんなのがファーストレディとか、この国は終わってる!」
帰りの車の中でジタバタすると、悠と高浜さんが深いため息をついた。
「とうの昔に終わってるとは思ってたけど、むしろ新しい始まりを見たような気がする」
「大西、何の慰めにもなっていないぞ……」
義母、義兄、さらに婚約者と、私を取り巻く人間のキャラが濃すぎる。
その濃厚さに胸やけを起こしたのか、悠と高浜さんも少し疲れた表情をしていた。
「で、どうします。一度ご自宅に帰りますが、その後の警護場所は?」
「ああ……どうしよう」
「もうさ、いっそ高級なホテルにしちゃったら。費用は総理に出してもらってさ」
そうね、あの婚約披露パーティーで使ったホテルより、もっと良いホテルに泊まっちゃおうか。
父は不特定多数の人が利用するホテルで警護をすることに不安もあるみたいだけど、義母は好きなところにしろって言いきったし。