強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】
ええと……どうして私、こんなエレガントなホテルの客室にいるんだっけ。
たしか、公邸での家族会議で大揉めしたあと、一度アパートに帰って……ああそうだ。なんかむしゃくしゃしてたから、適当に準備してコンビニで豚キムチの大盛ラーメンとビールを買って、ここで飲んだんだ。
そこまでは覚えているけど、ヤケ酒なんかしたおかげで、どうやって眠ったのかは覚えていない。
あのとき、高浜さんはどうしてたっけ? そういえば悠は……?
ふと隣でもぞりと何かが動いた。
どきりとして見ると、そこにはホテルの備え付けだと思われる白いパジャマを着た悠が、安らかな寝息を立てていた。
話さない悠はまるで人形のようで、毛穴の目立たない滑らかな肌に、まつ毛の濃い影が浮かんでいる。って……。
「はっ!?」
なんで、どうしてこいつ隣で寝てるわけ!?