強面勘違い年下男と見た目詐欺なアラフォー女
『えっ!?なに!?後藤君、本気の本気で私の事が好きなの!?ガチのガチなの!?』

『ここにきてやっとのこの展開っすか。
何度も言ってますけど本気の本気、ガチのガチで芙未さんの事が好きです。
芙未さんに俺の事を好きになって欲しいです』

『年上のアラフォーに!?』

『この際歳の事は置いてくれませんすかね。
俺が若造だって言われてる気がするんすけど』

『いやいやいや。大事な事でしょう年の差。
話題とか色々ギャップが出てくるし』

『や、ソレは大丈夫っすよ。自信があります』

『どっからくるのソノ自信』

『芙未さんも知らない事っすから。
取りあえず、2人きりの時はそのさん付け止めてくれませんか。』

『……後藤、君、でもいいんですか?』

『~~~~~、この際妥協します、後藤君で。
お付き合い云々はアノ長谷川さんの事があるから返事しづらいんでしょ?
でもそれ込みで恋人になって下さい』

『……え、と、その……』

『なら、俺は芙未さんと付き合ってると思います。
芙未さんは俺の事をお試しと見てくれていいです。
お試ししてOKなら両者正式にお付き合いしてます状態に、でどうですか?』

『……それ、後藤、君の方が辛いんじゃないの?』

『…いきなり告白されて、はいと言わせたい訳じゃないっすし…。
芙未さんも長谷川さんの事があるだろうし』

『……』

所々で叔父の名前が出てくると凄く盛り上がってる気持ちがしらける。

私が所在なさげにしていたら、後藤君はにっこりと笑っていた。

入社して以来、顰めっ面の後藤君が、だ。

私ににっこりと嬉しそうに笑いかけている。

『後藤君、笑ってるの見たの初めて』

『そっすか』

『うん……可愛い』

『はぁ!?』

『笑った顔、凄く可愛い……ナデナデしたくなる』

『っ!!』

『もうちょっとだけ笑ってて?
見ててもいいかな?』

『~~~~無自覚こえぇ』

『?私、後藤君の笑った顔好きだなぁ可愛い』

なんだろう。

今日は、後藤君に振り回されてバタバタ大慌てだったのに

後藤君の笑った顔を見たらホッとした。

何だかとっても気持ちが軽くなって嬉しくなった。

うん、とっても嬉しい。
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