君に好きと、伝えるまで。
だけど私は、あの時の自分みたく素直じゃない。
寒いなんて言えないし、私に言う権利なんてあるんだろうか?
寒い、といったところで、絶対咲田さんは、あの時みたいにマフラーくれたりなんてするわけない。
それにきっと、あの時のことなんて、忘れてるに決まって…
「…っ?」
その瞬間、私の体はふんわりと暖かくなった。
「ばーか。寒いくせに。無理してんじゃねえよ」
そう言って、私の頭を優しくポンポンと撫でる咲田くん。
「これ…」
「俺のジャンパー。どう?かっこいいだろ?」