君に好きと、伝えるまで。
「今日も寒いな。あかり、そんな薄手の服で寒くないのかよ?」
そう言って私の顔を、心配そうに覗き込むゆーくん。
「…っ」
その仕草にドキっと胸を高鳴らせ、つい距離をとる。
「おいー、あかり?」
そう言って、また「おいで」と私を手招きする笑顔のゆーくん。
「も、もぉ〜」
そんなゆーくんに負け、駆け足でまたゆーくんの元に近寄る。
その瞬間、ふわっとフルーティーな香りが鼻をかすめた。
首に感じる暖かさ。
これは…、
「ん、そのマフラーあかりにやる!」
赤チェックの入った、無難なマフラー。
だけどそれが、ものすごく嬉しくて。
「あ、ありがと、う。」
私は首に巻いてあるマフラーを、ギュッと握ると、そう呟いた。