I love youを日本語に





「いつか、おばあちゃんに会わせてな」


「え?」


ナオくんの口から思ってもみなかった言葉が発され、少し戸惑う。



「だってさユウ、おばあちゃんのこと大好きなんだろ?

好きな人の大好きな人って会ってみたいじゃん」


胸の奥がギュッとなる。

なんでナオくんはこんな言葉をサラッと言えるのだろう。



「いつか会うチャンスつくるから、そのときは絶対に会ってね!」


わたしだって、好きな人を大好きなおばあちゃんに紹介したい。


この人がわたしの彼氏です、って。

すごく優しくて、大好きな人です、って。


でも。


でも。


でも。



そこまで考えてわたしは小さく首を横に振る。


「どうした?ユウ」


「ううん、なんでもないよ」


そう、なんでもない。


おばあちゃんは、


わたしが大好きなおばあちゃんは、


簡単に、死んだりしない。






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