I love youを日本語に
「安心した、って何よ」
なんで泣いてるわたしを見て安心なんてするのよ。
「物心ついたときからずっと母さんに言われてたんだ。」
トシは一体なんの話を始めたんだろう。
「あんたは男の子なんだから、ユウちゃんのこと守ってあげなきゃダメなのよ。
って。」
知らなかった。
そして、納得がいった。
今まで散々トシがわたしの隣にいたのは、それがあったからなんだ。
「コケた後、泣くのを我慢して走り切ったユウはカッコ良かったけど、
でももう俺が守らなくても大丈夫なんだ、って思ったから、
だから泣いているユウを見て安心したんだ。
まだ俺が守ってあげなきゃダメなんだな、って。」
保育園の頃からトシはもうトシだったんだね。
いつもわたしより大人だった。
今も、昔も。
「トシ」
「ん?」
「今日ね、おばあちゃんに言われたんだ。
トシくんは元気?って。」
生まれた時から一緒だったわたしたちは、
お母さんたちが買い物に行く時なんかにおばあちゃんの家に二人で預けられることが度々あった。
だからトシはおばあちゃんと面識がある。