I love youを日本語に
-Side TOSHI-
俺は、果たしてうまく笑えていただろうか。
数分前の自分を振り返り、少し不安になる。
「トシ、わざわざありがとね。
おばあちゃん、喜んでた。」
「うん。
じゃ、俺バイト行くから。」
病院の玄関でユウと別れる。
数歩歩いて、振り返った。
このへんじゃ1番大きな病院。
大きすぎてユウのばあちゃんの病室がどこなのか分からない。
どこを見るでもなく、ただ病院を見上げて、
そして心の中で祈る。
どうか、1日でも長く生きてほしいと。