I love youを日本語に
正直、どうしていいのか分からなかった。
おばあちゃんが喜ぶから、
とユウに言われたからばあちゃんに会うことを決意したものの。
実際に会って、
どんな顔で
どんな言葉を発すればいいのか分らなかった。
「おばあちゃん」
ユウと一緒に家を出て、病院に着くまでの間、俺たちの間に会話は一切なかった。
俺はただ黙ってユウの少し後ろをついていった。
病室の前に着くと、ドアを開ける前、ユウは1つ大きく深呼吸をした。
「…ユウちゃん」
ユウの声でうっすらと目を開けたばあちゃんはこちらに少しだけ顔を向ける。
「あら、もしかして…」
そうして俺の姿を捉え、目を大きく開ける。
「お久しぶりです。」
「トシくん、大きくなったねぇ」
そう言って、数年前より少しシワの増えた目尻にもっとシワを増やした。