I love youを日本語に
「ユウ、口閉じて」
「あ…うん」
眉間にシワを寄せて、
怪訝な顔をしながら言う美帆の言葉に素直に従って、口を閉じる。
「で、そういうユウは?
最近あんまりナオくん、って聞かないけど。」
「そりゃあ、ね」
「何?先輩に飽きてきた?」
美帆はなんてことをサラッと言うのだろう。
と、思って顔を上げると美帆は意地悪な顔をしていて。
なんだ、冗談か。
「そういうわけじゃないよ。
でもさ、もうすぐ付き合って半年だし、
いつまでもナオくんナオくん言うのもおかしな話でしょ?」
「確かにそれもそうね」
彼氏という存在に、
ナオくんが隣にいることに慣れてしまったんだ。
それでも、手を繋いだり、キスをすることには未だに慣れないんだけど。
「じゃあ、トシくんとは?」
トシ?
「別に、変わりないけど。
え、なんで?」
トシとの関係なんて変わることはないのに。
急にどうしたんだろう。
「いや、特に深い意味はないけど」
美帆はそう言って、わたしから視線を外し、卵焼きを口に入れた。