I love youを日本語に
そんな会話をしてから1週間は経っただろうか。
いつものように朝練を終えて、
眠い目をこすりながら1限目の授業を終えて、
次の授業の用意をしていると
「柴田」
息を切らした担任の先生に呼ばれた。
先生の顔を見た瞬間にわたしは悟った。
「今、お母さんから連絡があって、」
胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
「おばあさんが、亡くなったって…」
わたしは先生に背中を向けた。
「柴田?」
「帰る用意します」
「うん、わかった」
自分の席に戻り、荷物を鞄に入れていく。
「ユウ?」
「美帆、帰るね」
「うん…気を付けてね」
美帆はそれ以上何も言わず、
ただわたしが教室を出て行くのを黙って見送ってくれた。