I love youを日本語に
冬休みが明けて1週間が経った。
今日は天気がいい。
窓を開けたくなった。
でもその気持ちをぐっと堪える。
きっと今窓を開ければクラス中がブーイングをくらうだろう。
なぜなら今日はこの冬1番の寒波が来ているらしい。
事実、今朝の冷え込みはすごかった。
「はい、じゃあ次柴田さん読んでねー」
窓際の席でぼーっとしていたわたしは、
自分の名前を呼ばれたことで意識を慌てて取り戻す。
「あ…はい」
と、とりあえず立ち上がったものの。
意識がどこかへ行っていたわたしはどこを読めばいいのかなんて分からない。
「最後の段落からね。
ちゃんと授業聞いててねー」
良かった。
先生が優しい人で。
そう思いながら最後の段落を読む。
今は現代国語の時間。
なんの感情も込めることなく、一字一句読み進めていく。
いつもとなんら変わりのない今日という日常。
トシが引っ越してもわたしの日常は何も、変わらない。