I love youを日本語に
「はあ…」
わたしの言葉を聞いてトシはなぜか大きなため息をつく。
「とりあえず、危ないから、戻って」
シッシッと払うような仕草をするトシ。
その指示になぜか素直に従ってしまうわたし。
「なんで?
なんで彼女だと思ったわけ?」
「だって!あの子、わざわざここまでトシに誕生日プレゼント渡しに来たんでしょ?
相手の子の顔は恋する乙女の顔だったし、それに…」
「それに?」
言葉につまる。
なんだか、恥ずかしい。
でも、このまま黙っているのも何か違う。
だから
「トシ、優しい顔してた…もん」
消え入りそうな声で言った。
それからなぜか訪れる沈黙。
恐る恐る顔をあげると、あきれ顔をしているトシと目が合った。
「ばーか」
そして、そう言ってふっと笑った。