I love youを日本語に
「まず、出会いは?」
「入学式」
「入学式?」
「たまたま隣に座ってたのがあかりだった。
で、同じ学部だって知って、そこで少し話して、連絡先交換して」
あのとんでもない人数の中でたまたまトシの隣に座ってたのがあの子。
そしてその子は偶然にも同じ学部。
運命、という文字が頭の中に浮かんだ。
「それで?」
「同じ講義で顔を会わせた時に話するようになって。
いい子だなー、とは思ってて。
そしたら告白された。」
「で、付き合ったの?」
「うん。
別にキライじゃなかったし。」
「好きでもなかった?」
「正しくは、好きかどうかは分からない、な」
トシは少し気まずそうな顔をした。
「なんかむかーしに似たような話聞いたなあ。」
美帆が誰のことだっけなーと言いながらわたしを見る。
「確かー、好きかどうか分からなくて、
でも憧れてる気持ちを好きだって思い込むことにして付き合ってー」
「美帆、やめて。」
それ以上聞いていられなくて、美帆を止めた。
あれは本当に先輩に悪いことをしたって思ってる。