I love youを日本語に
「まさか向かいのマンション同士とはねー。
前みたいに窓が向い合せ、ってわけではないし、
それに一応道挟んでるからさすがに実家の時みたいに会話する、ってわけにはいかないけど、でもねー」
トシと分かれ、
エレベータに乗って。
美帆はひとりで喋っている。
わたしは美帆の声を聞きながら、
自分の部屋の前に立って、鍵を開けて。
靴を脱いで3歩ほど歩いて。
そして止まった。
「ユウ?」
突然立ち止まったわたしの後ろから戸惑ったような美帆の声が聞こえる。
「美帆…
わたし…」
声が震えた。
「え?ユウ?
泣いてるの?」
「わたし、めちゃくちゃトシが好きだ…っ」