I love youを日本語に
パニックに陥った美帆が通常のテンションに落ち着いたところで話が再開する。
「それでね、わたしなんて返事すればいいのかわかんなくて。
だから直斗先輩の告白の返事は保留にしたの」
「ほうほう」
「で、昨日の夜どうすればいいのかな、ってトシに相談したの」
「それで?トシくん、なんて?」
昨日のことを思い出して出るのはやっぱりため息。
「付き合えばいいじゃん、って」
「やっぱり…」
そう小さく呟いて頭を抱える美帆。
「やっぱり?」
やっぱり、ってどういうことだろう。
「いや、気にしないで。
それで、どうしてケンカになったの?」
「わたし的にはトシなら、答えを迷うくらいなら付き合うなよ、って言うと思ったの。
だから、そう言うんだと思ってた、ってトシに言ったの。
そしたらトシ、投げやりに付き合うなよって。
好きかどうかも分からないなら付き合うなって、わたしが想像してたトシの言葉を言うの。
それはさ、なんか違うじゃん。
それはさ、トシの言葉じゃないじゃん。
だから、やめてよ!って言ったらトシ、なんで俺に相談するんだよ、って。
俺になんて言ってほしかったんだよ、って。」
「うんうん、それで?
ユウはなんて言ったの?」
「トシが1番わたしのこと分かってくれてると思ったから相談したんだって言った」
「そしたら?」
「お前のことなんかわかんねーよ!って…」
あのときのトシの表情が脳裏に焼き付いて離れない。