I love youを日本語に
地元の駅に着く。
時刻はちょうどトシのバイトが終わる時間。
なんでこんな日に限って…
いや、でも今日トシがバイトなのか分かんないし。
そんなタイミングよく会うわけがないよね。
そう心の中で独り言を呟く。
直斗先輩とはここでお別れだ。
ばいばい、と手を振って自転車置き場に向かうと…
うん、こういうもんだよね、世の中って。
見慣れた背中を見つけてしまう。
振り返ったその背中の持ち主とバッチリと目が合う。
「…お疲れ様」
「うん」
そのままわたしの横を過ぎて行こうとするトシの腕を掴む。
「一緒に、帰ろ」
決めていた。
トシに会ったら、ちゃんと話をしようって。
ちゃんと謝ろうって。
「…うん」
トシは掴まれた腕を見ながら小さく頷いた。