I love youを日本語に
部活終わりだと、どうしても時間が遅くなってしまうため、いつも素通りする駅前。
でも、今日はまだまだ明るい。
とりあえずオシャレなカフェに入ってお茶をする。
「なんか新鮮だね」
「普段、こんなことできないもんな」
基本、毎日部活がある野球部。
なので学校終わりのデート、なんてもしかしたら初めてかもしれない。
「…ナ、オくんさ、」
「ユウ?」
「ん?」
「呼び方、まだ慣れないの?」
付き合い始めてすぐに先輩呼びはやめよう、という話なって。
なおと、はなんか違うし、なお、も違う。
そしてナオくん、という呼び方に落ち着いた。
けれども。
それまで直斗先輩、と呼んでいたのもあるし、
ずっと憧れていた先輩をナオくん、なんて彼女みたいに…
いや、わたし彼女なんだけどね。
でも、なんだかすごく照れくさくて。
1ヶ月経ってもナオくん、と呼ぶときに少し緊張してしまう。