I love youを日本語に
机に肘をついて頭を抱え込む。
ああ、もうなんで。
ああ、もう俺…何してるんだろう。
「バカだ…俺」
ほんと、美帆ちゃんの言う通りだ。
16年も一緒にいるのに、何も分かってなかった。
「俺…どうしたらいいのかな、美帆ちゃん」
久しぶりに美帆ちゃんの顔を見ると最高に、呆れた顔をしていた。
「もう、手遅れ」
「え?」
「だってユウ、単純だから今は直斗先輩のこと、大好きだもん」
再び美帆ちゃんのストレートすぎる言葉が心臓を貫く。
考えないように…してたんだけどな。
「まあでも、トシくんへの気持ちがなくなったとは思わないけどね。
たぶん今は初めての彼氏、それも中学からずっと憧れてた直斗先輩っていうのに浮かれてるだけで、トシくんへの気持ちを奥底にしまい込んでるんだと思う。
そこは、16年っていう時間の長さを信じてもいいんじゃない?」
16年ってさ、簡単にはなかったことにできる時間じゃないじゃん?
と、付け加えられる一言。
ああ、もう。
美帆ちゃん、ありがとう。