I love youを日本語に
「はあ…」
「なになにー
そのピンク色のため息はー!」
とある日。
授業と授業の合間の休憩時間。
「はあ?ため息にピンク色なんてないから」
美帆は眉間にしわを寄せる。
「だってさ、今のは圭祐くんを想って出たため息でしょー?」
うつむいてしまった美帆の顔を覗き込むと、暗い顔。
「なんかさー」
美帆は顔をあげ、はあと再びため息。
「大学生からしたら、高校生って子どもなんだろうな、って思って」
「急に、どうしたの?」
美帆のその様子に茶化すのをやめたわたし。
「これと言って何かあったわけじゃないんだけどさ。
でも、なんかそう思ったのよね。
話し方も、考え方も大人で。
というか自分が子どもに思えて。
大学1年と高校1年ってたった3歳しか違わないはずなのになあ…」
わたしからしてみれば、美帆は十分大人だ。
でもその美帆が子どもに思える、なんて圭祐くんはどれだけ大人な人なんだろう。