I love youを日本語に
「でもさ、美帆はそういう大人な部分も含めて圭祐くんを好きになったんでしょ?」
「え、うん。
まあ、そうなんだけどさあ…」
語尾がだんだん小さくなり、ついには机に伏せてしまった。
「相手にされてないように思えて、辛くなる。
わたしが子どもだから、
恋愛対象っていうよりは妹的な扱いされてるというか。
それはそれで嬉しいんだけどね。
でも、違うじゃん。
だって妹に恋愛感情は抱かないでしょ?
仲良くなれることはすごく嬉しいよ。
それにもっと仲良くなりたいとも思う。
もっと圭祐くんのことを知りたいって思う。
でも、そう思えば思うほど、なんかよくわからないけど苦しくなる。」
わたしから見た美帆は器用で、要領よくなんでもこなせて。
だから、こんなふうに落ち込んで、悩んでる美帆を今まで想像したこともなかった。
でも美帆だってまだ16歳の女の子。
わたしと違うことなんて何もないんだ。
わたしは美帆の正面に周り、肩に手を当てる。
「わたしはさ、全然恋愛経験ないからなんなのアドバイスもできない。」
でも、と続ける。
「でもね、美帆。
美帆は全然子どもじゃないと思うよ。
すごく魅力的な女の子だと思う。
わたしは美帆が大好きだよ」
だから自信持って、という一言は飲み込んだ。
きっと美帆ならそんなこと言わなくても察してくれるはずだから。