I love youを日本語に
それから数日後。
美帆はいたっていつも通りで…は、ないか。
バイトがある日は少し、浮かれていた。
そんな日の美帆はいつもより可愛くて、思わずニヤニヤしてしまう。
「あれ、今日なんかいつもと違う」
朝、下駄箱で美帆と会い感じた違和感。
「そう?いつもと同じだけど」
美帆はそう言うけど、絶対に違う。
違和感の正体を見つけるべく、美帆をじっと見つめる。
「ねえ、やめてくれる?
そんなに見つめられたら穴あきそう」
「大丈夫。
見つめられたくらいで人間に穴は開かないから」
「その冷静なツッコミ、なんか腹立つ」
「腹立つってひどくない!?」
そんなどうでもいい会話をしながら階段を上る。
「あっ!」
「何?突然大きな声出すのやめてよ」
「髪の毛!」
美帆はその一言を聞いて歩くスピードを上げる。
なるほど、正解ってことね。
「美帆、髪の毛クルッてさせてるよ、今日」
「クルッて表現やめてくれる?
巻いてるってせめて言ってよ。
しかもそんなこと教えてくれなくたって、自分でやったんだからわかってるし」
少し恥ずかしそうに、
だけどいつもの口調で言い返される。