星になれたら
「分かりやすい奴…」

ケンジは悲しげに笑う。


亜矢はベッドに顔を埋め泣いている。



「亜矢、こいつのどこがいいんだよ?


こいつにお前の何が分かる?」


ケンジは亜矢を抱き起こすと少し泣きそうな声で言った。



「…亜矢が好きなんだよ


こんな奴よりお前のことずっと知ってる。

なあ、俺んとこ来いよ…」



ケンジは亜矢を抱きしめて懇願するように見つめた。

亜矢は無表情な人形のようにケンジの腕の中に抱かれていた。





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