星になれたら


また殴られる。


ヤバイ、まだ肋骨折れてるよ…



僕は正直、逃げ腰だった。

でも、目だけは憎い相手を見据えて…




「…亜矢なら、ここにいるぞ」



ケンジの声は、心なしか優しかった。



「あいつ…来月のアタマにでけぇライブが決まったんだ。だからメンバーと打ち合わせ…



ステージにいるから、見てけよ。



…今度は、見つかんじゃねえぞ。」




「…え…はい。」



戸惑いながら、僕はそっとケンジの後をついていった。





ステージの方からバンドサウンドだけが聞こえてくる。




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