星になれたら



「もう…やめよう」


亜矢が僕から離れて、顔を背けた。

僕の胸を押す手が震えている。



「…やっぱりダメだよ」



「何が?」
僕は優しく聞いた。



「…このままいっしょにいたら、もっと思い出が増えるよ?」



「いいんじゃない!」


「…今ならまだ、あたしを忘れることができる」



「何が言いたいの?」


「別れたら、…あたしが死んじゃっても気付かずにすむ。」



亜矢の言葉は、



悲しすぎた。




「亜矢…」

僕の声が震える。


「二度とそんなこと言うな!



亜矢は、


死んだりなんかしない!!




一人で背負い込むとかカッコつけんなよ!」




< 143 / 153 >

この作品をシェア

pagetop