星になれたら
亜矢が悔しそうに二人を睨む。



「あとちょっとだったのにぃ…」


「…ふぅ」

安心したのか残念だったのか僕は疲れた顔でため息をつく。





亜矢はヒョイッとベッドから降りるとアツシが持っていた五千円札をひったくる。


「残念でした-♪まだ卒業してません-!」





「おい、亜矢ぁ~」


「嘘つけ!昨日いっしょだったんだろ?」



「ヨースケ爆睡したもん!失礼なやつ!」



(亜矢の嘘つき!僕は昨日全然寝れなかったぞ…)



「あったんも夏樹も、勝手に部屋はいって来ないでよね!ラブラブ同棲中なんだから!」




「…はいはい」

アツシが呆れて笑う。




―そう、



ワガママな亜矢に負けないくらいのワガママを昨日、僕は言ったんだ。



『亜矢の部屋へ行く!』


『ん…、はい?』


『身体きつくなったら、すぐに気づいてあげられるし…それに…』


『それに?』


(いっしょにいたいし…)


『や…家賃だって半分に…』


亜矢はフフッと笑う。
『そうね♪



でも、ヨースケのお母さんが心配しない?』



『しない!今、夏休みで学校もないし!』



『…う―ん』



『ダメって言ったって行く!』




亜矢はイタズラっぽい笑顔で僕を見た。




『強引ね♪』





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