星になれたら
興奮状態のジュンを制してスキンヘッドが話だした。




「俺らは見た通り、族あがり、務所出のどうしようもない奴等だ。


亜矢の過去(こと)は、よく知らねえが…

あいつはあんま自分のことはしゃべんねえんだ。


亜矢は俺たちとは違う。

俺たちと組む前はソロでやっててデビューのオファーが何十社も来てたらしい。

ライブハウスのほうから直々に呼ばれたり…」


「デビューするんすか!?」
僕は仰天して言った。



「ひとりなら、な。俺らと組んでからはパッタリとデビューのオファーも、ステージの依頼もこなくなった。



亜矢はぜったいこのバンドでやりたいって言うし、




何度もみんなでライブハウスに頼みに行ったが俺らを見た瞬間目付きが変わっちまう。



だから亜矢はひとりでここに交渉にきたんだ。




そしたらどうだ、ステージだけじゃない、照明からなにから全部こっちもちだ!




どうしてだと思う?」


スキンヘッドは少しだけ悲しげな顔をした。





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