星になれたら
「ごちそうさまです。」


僕は会計してくれた夏樹さんにお礼を言って頭を下げた。


「ん、ああ。」

夏樹さんは財布をジーンズの後ろポケットにねじこみながら静かに言った。



ドアを開けて僕らはファミレスを出ていく。


2、3段の階段を降りているとき突然…



「おい!!亜矢!!」

後ろにいたスキンヘッド、いやアツシさんが声をあげた。


振り返ると、



バサッ



亜矢が僕のほうに倒れてきた。


びっくりして僕は亜矢を抱きかかえた。


激しく抱き合うかたちになって中にいた客たちは驚いた様子だ。ジュンは殺気立った目で僕らを見ていた。





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