星になれたら
「ヨースケ,あたしに会いに来たの?」

亜矢はニヤニヤしながら僕のほうを見る。



「え、えっと…偶然アツシさんに会って!」



―もちろん偶然なんかじゃないけど…



「来てもジャマなだけだな!」

ジュンが僕をにらんで冷たく言った。


「ジュン、なんでよ?せっかく来てくれたのに!!」

亜矢は枕元に正座しているジュンの膝をグーで殴る。



「ちょ、亜矢!いいから…」
僕は慌てて言う。


―ほんとに黙ってりゃ天使なのに…



「ね!!一発、歌ってこよ?」

亜矢は布団から起き上がってはしゃぎだした。


「亜矢~…まだダメ!」

アツシが首をふる。


「あったぁ-ん…」



「そうですよ!まだ熱あるんですから!!」



「じゅん~…」



亜矢はさみしそうに布団の上にしゃがみこんだ。







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