星になれたら
「亜矢?」


ひとしきり泣いて静かになった亜矢の顔を覗き込んだ。



「…ん?」



「僕、初めて亜矢と会ったときね、亜矢は天使なんだって思ったんだ。」


亜矢は必死で笑いをこらえていた。肩が震えている。



「笑うなよ~」


「だって…あっははは!」


「ほんとだよ?つまりさ…」


「つまり?」

亜矢はまだニヤニヤしている。


「つまり…亜矢は死なないってこと!」



「…うーん?」
亜矢は腑におちない様子。


「だって人間じゃないんだもん!」



僕の大真面目な一言に対して失礼なことに亜矢は笑いころげた。



「だから笑うなって!」



「あははは!だって~」



無邪気にケラケラ笑う亜矢を僕はもう一度強く抱き締めた。




「ヨースケ?これって…」



「ん?」



「ヨースケ?」



「…ん-?」



「ヨースケ…」



「あははは、ヨースケは僕ですが?」



「ヨースケ…」




「亜矢、好きだよ」




「…それ待ってた!」
亜矢はニヤリと笑うとそういって、僕の頬にキスをした。



「この悪女!」

僕も笑う。



「天使って言ったじゃん!」




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