星になれたら
ふと、亜矢の顔が苦痛に歪む。



見れば、亜矢の握りしめた右手から血の筋が流れていた。




慌てて僕は亜矢の手を開かせる。





「亜矢―!!!」


亜矢はガラスのコップの破片を握りしめていた。


手のひらを切り裂き食い込み、あとからあとから血が溢れてくる。



呆然とする僕に亜矢は真っ赤になった右手を見せる。



「これは血じゃない!




ヨースケを殺す毒よ!!」





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