俺に溺れとけよ
「好きな子には意地悪したくなるんだよね」
そう言っていたずらっ子みたいに微笑むと、蒼井くんは私の手を握って歩き出した。
私の心に完全に蒼井くんの矢が刺さった…
もう意地悪されても何でもいいや…
「うわ~綺麗」
最後にやって来たのはクラゲがいる水槽で、円を描くように造られたスペースに数え切れない程のクラゲが泳いでいる。
薄暗い室内にクラゲの存在がとてもロンチックな演出になっていた。
『お客様にお知らせします。まもなくシロイルカのショーが始まります……』
室内放送がかかると、周りにいたお客さん達がぞろぞろとクラゲの水槽から離れていった。
「蒼井くんどうする?シロイルカの方に行く?」
「…そろそろ呼び方変えないか?」
「へ?」
シロイルカを見たい気持ちが先走っていたのに、蒼井くんのその言葉が私にブレーキをかけた。
「紡って呼んで。俺も美海って呼ぶ」
「え、あ………うん………」
呼べるかな…呼べないかも。でも呼びたい。
「美海」
蒼井くんに名前を呼ばれると彼から目が離せなくなった。
周りには誰もいない。
クラゲ達だけがゆっくり泳ぎながら私達を見ているだけ…
蒼井くんが少しかがむと私には自然にめをつむり、暗闇の中で唇に柔らかい感触と甘い時間が流れる…
今日は蒼井くんにたくさんのプレゼントをもらった…
水族館に連れてきてくれた事。
手を繋いでくれた。
お弁当を美味しいって言ってくれた。
苺のネックレスをくれた。
「美海」って呼んでくれた。
そして…私にファーストキスをくれた…
ありがとうがいっぱいの誕生日。
今日で17歳。
最高の日をありがとう…紡。
そう言っていたずらっ子みたいに微笑むと、蒼井くんは私の手を握って歩き出した。
私の心に完全に蒼井くんの矢が刺さった…
もう意地悪されても何でもいいや…
「うわ~綺麗」
最後にやって来たのはクラゲがいる水槽で、円を描くように造られたスペースに数え切れない程のクラゲが泳いでいる。
薄暗い室内にクラゲの存在がとてもロンチックな演出になっていた。
『お客様にお知らせします。まもなくシロイルカのショーが始まります……』
室内放送がかかると、周りにいたお客さん達がぞろぞろとクラゲの水槽から離れていった。
「蒼井くんどうする?シロイルカの方に行く?」
「…そろそろ呼び方変えないか?」
「へ?」
シロイルカを見たい気持ちが先走っていたのに、蒼井くんのその言葉が私にブレーキをかけた。
「紡って呼んで。俺も美海って呼ぶ」
「え、あ………うん………」
呼べるかな…呼べないかも。でも呼びたい。
「美海」
蒼井くんに名前を呼ばれると彼から目が離せなくなった。
周りには誰もいない。
クラゲ達だけがゆっくり泳ぎながら私達を見ているだけ…
蒼井くんが少しかがむと私には自然にめをつむり、暗闇の中で唇に柔らかい感触と甘い時間が流れる…
今日は蒼井くんにたくさんのプレゼントをもらった…
水族館に連れてきてくれた事。
手を繋いでくれた。
お弁当を美味しいって言ってくれた。
苺のネックレスをくれた。
「美海」って呼んでくれた。
そして…私にファーストキスをくれた…
ありがとうがいっぱいの誕生日。
今日で17歳。
最高の日をありがとう…紡。