俺に溺れとけよ
「いらっしゃい」

「お邪魔します」


私の部屋に通すと、部屋の床に敷いてある2組の布団を見て凪は驚いていた。





「もう遅いし泊まっていきなよ?着替え貸すし」

「…じゃあそうしようかな。話も長くなりそうだしね」


凪に部屋着を貸して着替え終えると、2人で布団に寝転がりながらガールズトークが始まった。




「私さ…中1の時に紡が好きになったんだ」


凪は天井を見つめてぼそぼそと言う。私は体を横に向けて凪の話を聞く。




「こんなにカッコイイ人見たことなかったし、私一生紡のこと好きなんだと思ってたんだけど…」

「けど…?」

「…」


急に言葉を詰まらせる凪は、そっと顔を覗き込むと顔を真っ赤にして黙り込んだ。





「何?」

「わ、笑わない!?」

「…笑わないよ?」


ガバッと起き上がり正座をする凪に、私もつられて同じ体制を取る。





「最近…なんか健のことが気になって……」

「えっ」


凪の発言に私も顔を赤らめてしまう。

健くんが凪ことが好きだと知っているけど、内緒だしここでそれを言えないのがとても歯がゆい。
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