俺に溺れとけよ
そう言って私の手を握ると、神社に向かって2人でゆっくりと歩き出した。





「今何時?」

「あと30分で12時だよ」


こんな時間に紡と会うのは初めてだな。

いつもよりドキドキしちゃう…





「あ、言うの忘れてた。良いお年を!」

「…それって離れてる相手に言うんじゃねえの?」


目を輝かせて言うと紡は苦笑いしながらそう返す。





「紡に言いたかっただけ…」

「2人でいるんだからいい年になるに決まってるだろ」


反対の手で私の頭をぽんと撫でる紡。

すごく寒いのに顔が赤くなってしまって汗ばんでしまった。








がやがや



「結構人いるね」


神社に着くと人が賑わっていて、参拝をするのに結構な列が出来ている。




「とりあえず並ぼうか」

「うん」


列の最後尾に並び紡と会話を楽しんでいると、前の方に凪と健くんを発見。





「あ…」
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