俺に溺れとけよ

兄の存在

「今日から三年生です。受験や進路…気を引き締める一年になるのでそれぞれしっかり生活していきましょう」


ーー春。

高校三年生になりました。


ドキドキのクラス替えはまさかの水泳部が部員全員が同じという奇跡。

紡、凪、健くん、川崎くん。皆一緒で、私はまた一年楽しくなりそうだとワクワクしていた。






「みんな一緒で良かったね☆」


今日は始業式で午前中で学校は終わりの為、放課後水泳部メンバーで教室に残って話していた。




「そうだね」

「部長が卒業しちゃったから新しい部長決めないとね」


大津先輩は3月に卒業して地元の大学に進学。部長がいなくなり部員も1人減ってしまった。




「とりあえず部長は誰がなる?」

「健がいいんじゃない?」


数分間話し合った結果健くんが次の部長候補になったけど…



「あ?俺?あーどっちでもいいよ」


本人はぼんやりしていてやる気があるのかないのかわからない…

すると凪がはぁとため息をつき口を開いた。




「私がやる。健は副部長やればいいよ」

「凪が部長?」

「いいの!?」


そうか!凪がやれば一番いいよね!

部員の中で一番しっかりしてるんだから。




「いいに決まってるでしょ。今年は高校生最後大会だよ?何としてでも結果残さなきゃね」


凪の目は輝いていた。

私達は凪に拍手をする。





「さて…後は勧誘ね。最低でもあと1人は入部してくれないと困…」

「すいません!水泳部に入部したいんですけど!」


すると、新入生数人が私達と所へ近づいてきて礼儀正しく挨拶してきた。

聞けば彼らも幼い頃から水泳をやっていて、紡と健くんに憧れている人達だったらしい…

問題はすぐに解決。

凪の機嫌は良くなった。





高校生最後の一年が始まった…
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