俺に溺れとけよ
「なんだよ急に…」

「いやぁ…何か悩み事あるなかなーって」

「特にないけど」


う…そうだよね。

そんな簡単には言わないよね…





「悩みっていうかさ…何かあるでしょ?言いたい事とか……あ、何か私に聞きたい事とかない?」

「聞きたいこと…」


紡の顔つきが変わる。私はもしかしたら悩み事とか聞き出せるかもという手応えを感じ、ぱあっと顔が明るくなる。





「そうだな…」

「何でも言ってよ!」

「じゃあ…」


何を言われても平気。

私が支えてみせる!






「土田のこと…もしかして昔好きだったりする?」

「へ?」


まさか陸が出てくると思わなかった私は、いくつか頭に並べていた気の利いた言葉が一瞬で消え去った。





「ななな、何急にっ…どうして陸!?意味わかんないんだけど!」


突然の質問でしどろもどろになる私。

陸のことって言っても内容が内容なだけに、どうしても普通になんかしていられない。
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