俺に溺れとけよ
健くんの頭をポンポンと撫でる務さん。

声や仕草までも紡にそっくり。





「凪ちゃんだったよね。久しぶり!」

「こんにちは!」


凪のことも知っているようで務さんは挨拶をした後、私の方をチラッと見た後じーっと見つめてきた。




「は、はじめまして!私紡君とお付き合いさせていただきます水野美海です!どうぞよろしくお願いします!!」


カチンコチンに固まった挨拶をすると、凪と健くんは苦笑い。務さんは…




「アハハハ」


爆笑した。

笑った顔も紡そっくりだった。





「母さんから聞いてるよ!紡の彼女でしょ?うん、よろしくね。いつも弟がお世話になってるみたいで」

「いえ、こちらこそ。今日は無理言ってごめんなさい」

「ちょうど帰って来ようと思ってたからいいんだよ。紡は?」

「スポーツクラブにいます」


朝から行ってるって言ってたし、まだ11時だから今も泳いでると思う。





「そっか。んじゃあ先にスポーツクラブに行こうかな」


私達4人は電車に乗り地元へ戻ることにした。

電車に乗り込むとすぐに、務さんは健くんに紡の様子を聞いてくる。






「あいつどんな感じ?」

「タイムがガタ落ちして…毎日必死こいて泳ぎまくってる」


健くんの言う通り毎日泳いでる。

あんなに泳ぎ続けて大丈夫かなって言うくらい…
< 117 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop