俺に溺れとけよ
あと一週間で大会なのに…





「あ、おばさん!紡はどうでしたか!?」


すると、病室から紡のお母さんが出てきて健くんたちが駆け寄る。

おばさんの表情は曇り私の胸はズキッと傷んだ…






「…足の骨にヒビが入ってて……完治するのに三ヶ月かかるって」

「えっ…」


その言葉を聞いた途端更に涙が溢れ出した…




私のせいだ…!

私のせいでっ…………紡は…







「美海ちゃんのせいじゃないわよ。悪いのはあのおじさんなんだからね!」


私達から離れた所で警察と話す運転手のおじさんを、紡のお母さんはビシッと指さした。

横で私のお母さんに止められている。





「あの道は突き当たりで、あの人が確認しないまま急に曲がって来たせいよ!」

「だからやめなさいって…もう大人なんだから」


運転していたおじさんに今にも文句を言いそうなおばさん。


皆が呆れ顔の中、

私だけは涙を流し続けていた…
< 136 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop