俺に溺れとけよ
そして紡とやって来たのは近所の海。

私達は大きな荷物を降ろすと、防波堤に座り込み海をぼんやりと眺めた…






「紡…」

「ん?」

「陸の挑戦…本当に受けるつもり?」


紡が何を考えているのか…

いくら彼女だからって聞かないとわからない。






「…当たり前だろ。もちろん受けるよ」

「断ってもいいんだよ?」


あんなふうに紡に突っかかって挑戦を申し込むなんて…陸を見損なったよ。

紡をいじめるようなマネしてむかつく!





「断るなんてするわけないだろ。俺もあいつともう一度やりたいんだ」

「え…」


紡はワクワクしたような顔をして話す。





「俺だってあんなレース納得いってるわけないだろ。だからもう一度あいつと泳いで決着つけたい」

「紡…」


紡の気持ちを考えたら、やっぱりもう一度陸と勝負をつけたいと思うのが当然だ。

私は紡を応援してあげるべきだよね。






「なら早く足を治して体取り戻さないとね!」


本当は陸なんて無視して欲しいけど…紡の気持ちをわかってあげなきゃ。

それこそ後悔して欲しくないから…
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