俺に溺れとけよ
「お前な…そんな事心配するより自分はどうなんだよ?進路決まってんのか?」

「う…」


私のリアクションを見てまだ決まってない事を察したのか、紡は呆れたようにため息をつく。





「…どうするんだよ。何かやりたいことねえの?」

「やりたい事は…あるけど」

「何?」


少し恥ずかしかったけれど、思い切って正直に打ち明ける事にした。






「…紡が連れてってくれた水族館で働きたい」

「え?」


もじもじしながら言うと、紡は驚いていた。




「水族館て…飼育員としてってこと?」

「まあ、そうかな」

「…お前泳げないのに大丈夫なのか?」


ボソッと冷静に言う紡は、付け足したようにその後プッと吹き出して笑った。





「う、うるさい!飼育員じゃなくてもいいからあの水族館で働きたいの!」


何でもいい…

あそこのグッズやファーストフード販売員でもなんでもいいの。
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