俺に溺れとけよ
「今日はごめんね!私なんかの用事に付き合わせちゃって…」


蒼井くんと私の家から歩いて近くのバス停まで行き、バスを待っている間緊張しながら話しかけた。




「全然。今日は予定ないしそれにお前の友達に会ってみたかったしな」


優しく微笑む蒼井くんにドキッとしながらお礼を言った私は、今着ている服を見直す。

散々迷った結果、デニム生地のワンピースにしたけどダサいとか思われてないかな?

蒼井くんはチノパンにグレーの薄いセーターですごくかっこいいのに…


チラチラと蒼井くんを見ているとバスが来て乗り込み一番後ろの席に並んで座ると、バスは走り始めた。





「うわぁ…綺麗」


バスの中から見える海は天気も晴れということもありとても綺麗。




「夏は毎日海に行ってるよ」

「そうなの?」

「ああ。プールより海に行く方が多いかな。良かったら今年一緒に行こうよ」

「えっ…う、うん!」


誘われちゃった…嬉しいな。

ドキドキして隣にいる蒼井くんを見ると、窓の外をぼんやりと眺めていた。

見た目は一見クールで冷たそうなのに話してみるとすごく優しいし面白いし…私……蒼井くんのこともっと知りたいな。
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