俺に溺れとけよ
嘘嘘嘘嘘…!

蒼井くんから電話!!!


どうしようっ…早くかけ直さないとっっ

無視してるなんて思われたくないしっ



私は指を震わせながら蒼井くんに折り返し電話をかけて、スマホを耳に当てた。




プルルルルルル…

プルルルルルル…


コール音がなる度に緊張する。



プツ…


「もしもし?」

「あっ、もしもし!?」


電話越しで聞く蒼井くんの声にドキドキしながら、部屋中を行き来して落ち着かない。




「今何してた?」

「え!え、っと…何にもしてない」

「そっか。いや…もし暇だったらと思って電話したんだけど…」

「何?」


心臓が破裂しそう。直接話すよりも電話ってこんなに緊張するんだ~





「これから健と学校のプール行くんだけど…鍵貸してくれないか?」

「え…」


これから?




「頼む。マネージャーしか鍵持ってないだろ」

「…」



…ということで。蒼井くんがこれから家に鍵を取りに行くことになりました。







「水野」

「蒼井くん!」


10分後。蒼井くんが自転車に乗って家の前で来ると、私は持っていた学校のプールの鍵を渡した。
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